「ねえ、フクちゃん」

「なに?」


ドキドキ ドキドキ


なんで、ただ本当のことを言うだけなのに
こんなにも緊張するんだろう…。



「あのさ、わたし…」

喉の奥が乾いて、声が出ない。



「わたし、黒川光くんのことが好きなの。おかしいよね」

一気にしゃべって、肩で息を吸う。



「なんで?おかしかねーよ」


え?!



フクちゃんは、普通に答えてくれた。

笑わなかったし、馬鹿にもしなかった。



「あの光くんだよ。そこらじゅうにファンがいて当然でしょ」

フクちゃんは笑いながらそう言った。