「もしもし、遅せーよ。もう、オレたち、お前のマンションまで来てる。・・・おぉ、おぉ。・・・わかった。気をつけてな」

話の内容から、相手がミーヤだとわかる。

電話を切った後、フクちゃんはミーヤの乗った電車が人身事故で遅れていることを教えてくれた。


「愛だから、オレのベスト1なの」
さっきエントランスで鳴り響いた、光の楽曲「愛だから」は、ファンにも人気のバラードだ。

「オレも光くんのファンだから」
そう言ってフクちゃんは、ファンの子に見せるようなとびきりの笑顔を見せてくれた。


「もうちょっと待ってよう」
「うん」

とてもフクちゃんのことを身近に感じた。


フクちゃんに光のことを打ち明けてみようかな、そんな気持ちになっていた。