感動しているのもつかの間、わたしは隣で人の動く気配に気づいてしまったんだ。



そう、

さっきまで、

光が座っていた席に。


劇中にも関わらず、わたしは隣に顔を向ける。


はい。

黒縁めがねの光です。

マネージャーさんらしき人も隣に座る。



また、わたしの体は硬直し始めた。

やっぱり、ごめん。

光のことが気になって仕方ないよ。

ミーヤ、ごめんなさい。


わたしは何度も心の中でミーヤに謝りながら、左半分は光を意識して、そして右半分ではミュージカルを見るという、なんともいえないおかしな状況に陥ってしまった。