「そうなの?
…ゆっくり見てってね?」

「はい。
ありがとうございます!」



スタジオのセットの規模に驚きすぎて、すぐ隣でしている会話は耳に入って来なかった。


「あっ!
おはよう、美喜!」

「おはようございます。
…亜知さんこの子は?」

「捺羽ちゃんのこと?」

「捺羽ちゃんって言うんですか?」

「うん。
スタジオに驚きすぎて、あたしの言葉が耳に入ってないみたい。
でもそんなとこも、かわいい~!」

「亜知さん?」

「ごめんごめん。
…捺羽ちゃん、ちょっといい?」



急に亜知さんに話しかけられ、振り返ると…


「…すいません。
なんですか?」


亜知さんの隣に居る子…
誰?