その日の夜、家の電話がなった。俺は実家で両親と暮らしている。

いつもならオカンが電話にでるのだが、その日は姉貴が生まれて1ヶ月の一史(かずし)と、
1歳半の一花(いちか)を連れて実家に遊びに来ていてオカンが忙しかったから俺が電話に出た。


「あの…私、津矢中学校の長谷川 奏愛ですが、相沢先生みえますか!?」

長谷川がそう言った。

「あ~長谷川かぁ。どうしたんだ!?」


俺は一花を抱いて自分の部屋に行った。




「先生、今日の事だけど…瑠香から【今日はごめんなさい。】って伝えておいて欲しいって言われたんだ。
瑠香は新学期で良いって言ったんだけど、早く伝えておきたくて…」


奏愛はそう言った。


「ありがとうな長谷川。
瑠香はやっぱり自分二の次だな!!あいつの良いところであり、ちょっと心配なところだ。
だから長谷川がしっかりとカバーしてやってくれるか!?」


俺はベッドで一花を寝かしつけながら話をした。


「先生は瑠香に今までと変わらず接してあげて!?じゃないと瑠香も変に意識して今までの関係が崩れると思うから。
なんかごめんね。一花ちゃんとかせっかく来てたのに。また新学期。おやすみなさい」


「ありがとうな長谷川。
新学期、また元気な顔で登校してこい!!おやすみ」


そう言って電話を切った。

長谷川と瑠香と3人でよく話をするから、長谷川と瑠香は一花や一史の事を知っていた。





そのまま俺は一花と一緒に眠りについた。夢に出てきたのは…――瑠香だった。