「嬉しいなぁ。
高校も、また、花瀬さんと同じ学校で。
この学校、偏差値の高い有名校だから、やはり花瀬さんも、志望されてたんですね」


内心、驚いている私をそよに、鋳は、爽やかに微笑んでいる。


私が何も言わず、ただ、見ながら目を丸くしているので、鋳は、微笑みながらも不思議そうな顔になった。

「どうかしました?」

「え?いえ、あ、あぁ!うん。そうですね、同じ学校」


私は、慌てて返事をする。

鋳は、目の前で微笑んでいた。


私は、兄弟がいるかとか、尋ねてみようかと思ったのだが、たまたま名字が同じなだけで、関係のない他人かもしれないし…と、やはり、言葉を飲んだ。