―… あの日お店を出たあと松田くんは顔を真っ赤にしながら声をかけてきた。 「っ坂井さん、実は俺好きな子がいて… あ、好きな子って一ノ瀬さんなんだけど、彼氏…いるか知ってる?」 松田くんは亜美が好きだったけど、なかなか接点が持てなかったんだって。そんなとき亜美と仲良しのあたしと共演することになって、いろいろ聞きたいと思って連れ出したみたい。 「ありえねぇ…」 話を聞き終わった葵は、そう呟くと同時に脱力した。