六月半ば、あたしたちのクラスは劇の猛練習をしていた。


『ありがとう、魔法使いさん。
 あたしいってきます』


「ちっがーう!!そこはもうちょっと感情を込めて嬉しそうに言うの!」


あたしはといえば何故かシンデレラ役になっちゃったの。葵の予想的中?


さっきからすごくスパルタなのは演劇部の石川さん。あたしこのセリフ言うの何回目なんだろう…


「まぁまぁ、坂井さん疲れてるみたいだし少し休憩しようよ」