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「…そんなことがあったのか…」



悲しそうな瞳をるーちゃんは向けた




「今までね、忘れてたの。」



一種のキオク喪失。


自分を保つために


忘れることもあるんだって……





「でも、思い出したんだ。」




封じ込めてた想い



それはまた


誰かを死なせてしまうんじゃないかという不安。




そう、あたしがいなければ


光平は死なずにすんだんだから。




「本当にそうだと思うか?」


「………え?」