走る、走る。



あの元カノが現れたときと同じように。


[また、逃げ出すノ?]


『あんたんか死ねばいいのよ』



ヤメテ。



[いつまでたっても弱い人間だネ]



『生まれてきた意味なんてないんだから』


お願い、ヤメテ…



思い出したくないの。


その記憶だけは


どうしても…




[そんなこと無理に決まってるダロウ?]



『可哀想に。存在価値すらないんだね』


分かってる。


分かってるよ。



でも………





[君は弱い人間なんダ]


『ねぇ、お願いだからあたしの前から消えて。』


強がっていたかった。


強いと思いたかった。


弱い自分を


認めたくなかった。



記憶のカケラ

すべて消えてしまえばいい。



あの日の自分を消してほしい。



『死ねよ』


冷たく言い放たれたコトバ

あの日の傷は

まだ消エナイ