「待って…待ってよ!!」


少年の足は早く、
気づけば森の中だった。

あたしは意地になって
追いかけた。


「待ちなさいっ!!」



少年の背中は
遠くなっていく。

だんだん足場が
悪くなってきた。


何であの少年はあんなに
早く走れるのだろう。


くそっ!!

なんか悔しい。



「待てっ!!」




ズルッ




「………あっ…!!」



足をすべらしたあたしは、
森の中を
転がり落ちていった…。