カラスのような
漆黒の髪、整った
顔立ち、あたしと
同じ位の年の男の子
がそこにいた。

迷いの無い
まっすぐな瞳が今は
大きく見開かれている。


カッコイイ…。


純粋にそう思った。


形のいい口が開く。


「嘘だろ………」



ダッ




きびすを返し、少年は
落とした物に目もくれず

本来た方へ走りだした。


「え…っ!!待って!!」


あたしはその少年を
追いかけた。