「んぁー。長かった」

長い列車の旅が終わり、
あたしは大きくのびをした。

「ん、静かだ」

都会の喧騒とは大きくかけ離れた
ボロい駅であたしは
おりた。


駅員さんに切符を渡す。


「こんな田舎に来て
くれるなんてねぇ。
一人かい?立派だねぇ」


「はい。ちょっと
母の実家へ」

定年間近と思われる
おじいさんに話しかけられた。

話長くなりそう…。

なんか一人でしゃべってるし。


小さくため息をつき、
周りを見渡す。



「あっ!」


駅に向かって走ってくる
小さな影を見つけた。