直哉の容態は、日に日に悪化していった。 嫌がる夫を病院に連れて行くことは裕子にはできない。 昼間から酒を飲み、暴れて裕子に当たり散らすようになった。 『こうなったのは全部お前のせいだ!』 『出て行け!』 玄関先で、背中を蹴飛ばされて非常階段から落ちた裕子は指を骨折した。 (もう駄目・・・・) 裕子は母親に相談することを決めた。