夏期講習の講座も、

残りわずかな頃になると、

全校トップ様は、

ある、とてもお美しいお方と、

一緒に、自習室で、

仲良く勉強していたり、

また別の日には、

一緒に、廊下で、

楽しそうに、会話をしていたり、

そんな姿を、

度々、このまなこに、

悲しくも、冷酷なまでに、

ぶちこまれるように、なりました。

わたしは、いてもたってもいられず、

二学期が始まった、

そんな、ある日のお昼休みに、

彼を、近くの公園まで、

呼び出しました。



彼は、

わたしの目的を

察しているようでした。

彼は、公園まで、

黙って、静かに、歩いていました。


公園には、

噴水を取り囲むように、

尋常ならざるまでに座りにくい、

銀のパイプ状のベンチが、

ぐるっと一周しておりました。


噴水の周りには、

ハトポッポ様が、

ポッポ。ポッポ。と、

なんとも楽しそうに、

わんさか、たわむれておりました。



わたしは、

最初から決めていた通り、

ゴング開始と同時に、

決定打かつ最終打となるべく、

決意のみどるをぶちこみました。


「あの」

「今日あなた呼んだのは」

「今までずっとずっと」

「沈黙を貫いておりましたが。」
 
「ずばり」

「あなたのことが」

「好きなんです」


「どすこい」



彼は、

少し驚いた表情でした。

でも、その後にすぐに、

笑顔になりました。

その笑顔は、

何か、意味深な、

悲しげな、笑顔でした。


そして、

彼の目のどてっぱらには、

みどるが、

ゆっくりと、

あふれているようでした。


そして、

彼は、

目にみどるを溜めながら、

ゆっくりと、ゆっくりと、

ひとつひとつ、

みどるを噛み締めながら、

私のこころのどてっぱらに、



静かに、みどるを、


ぶちこみはじめました。