恋するキモチ

「徹平くん、彼女いないんだっけ」
「はい」
控え室は狭いから、二人で七瀬先生の机に弁当並べて食べることにした。

俺の弁当箱は、この前、松先が食べていた弁当箱だ。

「二ノ宮さんは?」
「明梨のこと?あいつは彼女じゃないですって。親友なんですよ」

「へー。そう思ってるのは徹平くんだけかもしれないよ」
意味ありそうに微笑む先生。

「…俺だけ?」
何のこと言ってるの?

「男女の仲にも友情は成り立つんですよ。先生、大人だからわかんないかもしれないけど」
力説した。

「どーだかね」
ふふっと大人な笑み。