恋するキモチ

「もしかして、お弁当作ってくれる人いる?」
「いないっす」
「あらー、それは残念」

変顔をした七瀬先生は、急須にお茶の葉を入れる。

「先生、いつもここで食べてるんですか?」
「うん」
「一人で?」
「そうだよ」
不思議そうに俺を見る先生。

「職員室のがにぎやかじゃん…って、先生職員室嫌いだったね」
教科控え室は小さいし、その上机が3つも入ってて本棚とかロッカーとかあって、超せまいんだよ。

「俺も食べていこうかな。いいですか?」
「別に、いいけど」

なんかさ、七瀬先生の弁当を持って教室に帰るのが恥ずかしくって、できそうにないって感じたんだ。