PsychoCabala〜第7の男〜

俺は、
待ち合わせの時間を少し遅れて行った。



店内に入るとなつかしいジャズが流れていた。



カウンターにはすでに稲葉が座っていた。



後ろ姿は当時のままだっだ。



「よう。悪い待たせたな。」



「お前の遅刻なんて、今始まった事じゃないよ。」



皮肉を言う口調も当時のままだ。



稲葉はドライマティーニを飲んでいた。



俺は・・・



「マッカラン12年。ハーフロックですね。」



マスターが言った。



俺は少し笑い。



「さすが、マスター。お久しぶりです。」



と挨拶した。



マスターは30代半ばの身なりのきちっとした人だった。



最後に来たのは
大学を卒業してからなので、もう8年前になる。



この店も、マスターも当時のままだった。