PsychoCabala〜第7の男〜

「俺きのう寝たのすっごい遅かったんだけど。

 すっごい眠たいんだけど!

 言いたい事があるなら早く言えよ!」



帯斗はリカを下から見上げる様に言った。



「だから、霧子が・・」



 と、言いかけて突然
リカは窓の外を見た。



帯斗は横目でリカの視線を追った。


そこには校庭を一人で歩く佐和田霧子の姿があった。



「ねえ、帯斗。何か霧子の様子おかしくない?」



しばらく帯斗は霧子を眺めて



「どこが?」



と聞き返した。



だが、その言葉とは裏腹に帯斗の目は鋭く霧子を追っていた。



「お前の佐和田への疑問は何? 最近胸が大きくなった彼女への嫉妬?」



確かに佐和田霧子は学園でも有名な、
『いわゆる憧れの的』存在だった。



「ばっ!バカ。そんなんじゃなくて、・・・最近おかしいのよー。
 何聞いても上の空だし、それに・・・。」




しばらく沈黙するリカに帯斗は追い討ちをかけた。



「それに?」



「誰にも言わないでよ。・・・・私、見ちゃったの、・・・
カバンの中に・
血の着いたナイフが入ってたの。」



リカはそのまま黙り込んだ。




「ふーん。・・・カバンの中に血の着いたナイフねぇー。

何?それ、今年流行のアイテム?」



「バカ!


・・・・・ねぇ帯斗。
霧子何かしてんのかなぁ。

 やだな。私。こわいよ。」



帯斗は黙ったまま佐和田霧子の事を見ていた。