霧子は息を荒立てて、叫んだ。



「私!その時の記憶が無いの!
私がその人を殺したのかもしれない!

どーしよう!リカ!」



取り乱す霧子をリカは強く抱き締めた。



「大丈夫。大丈夫だよ。」


霧子の震えが伝わってくる。



リカは歯を食い縛り
確りした目で
帯斗の方に振り向いた。



その時の、
帯斗の顔は怒りに満ちていた。



リカは帯斗のそんな顔を見るのは初めてだった。



やがてしばらくして、霧子の興奮も治まりかけた頃。



考え込んでいた帯斗が、突然立ち上がり壁に置いてあるホワイトボードに何かを書き出した。



そこに書いた文字は



『暗黒物質』



と言う文字。