PsychoCabala〜第7の男〜

「速いっ!」



このタイミングで弾を交換している時間は無い、
おそらくシリンダーを抜く頃には奴はもうナイフを俺につき立てているだろう。



その位、男の反応は速かった。



こちらに走り込んで来る男の姿がドラゴンにはスローモーションに映った。



後、3歩。



2歩。



1歩!



そこで、男が目を見開いた。



その時、男のこめかみから突然、血液が飛び散った。



ドラゴンはそれによって、動きの鈍くなった男を横にかわした。



「なっ!・・なんで!」



目を見開いたままの男は叫んだ。



前へ倒れ込む男の頭部には
後ろから狙い撃ちされた
であろう弾の貫通した跡があった。



「タイミングがおせーよ。」



やれやれ、と言った感じでドラゴンは言った。



その声に切り立った岩のたもとに隠れていた男が
ライフルを抱えて立ち上がった。



撃ったのは、虎視眈々とタイミングを計っていたハルだった。



ドラゴンが、最初岩から飛び出す前に一瞬相手から目をそらしたのは
ハルの存在に気付いたからだ。



ハルがトラップを仕掛けた事に気付いたドラゴンは
わざと銃を乱射し、相手をハルの所まで誘いこんだのだった。



後は、動きの速い相手が
ハルとドラゴンを直線に結んだ上を走るのを待って
狙い撃ちをすればよかったのだ。



向こうから得意顔で歩いてくるハルに向かって
ドラゴンは言った。



「イナッチがお前を
この作戦に選んだ理由が分かったか?ハル。

こう言うサバイバルにはな。
お前みたいに
少し、小がしこい奴も必要って事だよ。」