PsychoCabala〜第7の男〜

佳代は驚きを隠せなかった。



帯斗君・・・。



まだ、あどけなさを残した華奢な感じの子。



毎日、テコンドー部の部室に顔を出し、リカさんと戯れている思いでしかない。


「なぜ、そんな大事な事を私に?」



夏生はその問いに笑顔で答えた。



「『僕達』はもう、君の事を仲間だと思っているからさ。」



佳代は心の中を打たれた気がした。



父を研究所の事故で亡くしていらい、自分を圧し殺して来た。



柳沼の事件以来、『偶然』に持ち合わせたこの『能力』。



「私に何か出来ることはありますか?」



佳代はそう答えていた。



夏生は佳代の言葉に笑顔で囁いた。



「あるさ。君にしか出来ないこと・・・。


沢山の人の命を救う事が出来る能力。


ようこそ・・・。


PCへ。」



その言葉に佳代は立ち上がると、
着替える為、ベットの横にあるクローゼットの中を除き込んだ。



そこには自分の着ていた私服と
もう一つ別の洋服が掛かっていた。



「これ、私、着ます。」



クローゼットの中に掛かっていたもう一つの洋服。
それは黒のタイトスーツだった。