ＰsychoＣabala〜第７の男〜

エミの鋭い目付きに気付いた兜はニヤリと笑った。



吸っていた煙草をアスファルトに投げ捨て、
一緒にいたもう一人の男に目で合図を送る。



その男は車の後部座席を開けゆっくりとある物をとりだした。



ドア越しにゆっくりと姿を表す『青竜刀』。



長さは一メートル程はあるだろう。



その男は取り出した長く重たい青竜刀を頭の上で軽々と回転させた。



「チャイニーズか。」



エミはそう呟くと相手から目を離さず、ゆっくりと弧を描く様にポルシェから遠ざかった。



男は青竜刀を両手で頭の上に高く振り上げた。


来る！



距離約五メートル。
一瞬にして男がエミの間合いに踏み込んだ。



同時に素早く降り下ろされる青竜刀が
エミの鼻先、皮一枚の所で空を切る。



「よく、避けたじゃねーか！」



男の下品な声が辺りに響き渡った。