PsychoCabala〜第7の男〜

「そろそろ、本題に入ろうか
佳代ちゃん。」



夏生は佳代の隣の椅子に
腰掛けた。



なんで隣に・・。



佳代の微妙な表情を無視し、
夏生は資料を取り出し
話し始めた。



「今朝の事故。

出勤ラッシュ途中と言う事もあって目撃者は大勢いるんだ。

君は、
事故の瞬間を目撃したのかい?」



「いいえ。
瞬間は目撃しなかったけど。

次のバスに乗っていたから、横を通り過ぎて。

沢山の人が倒れているのを見ました。

原付きの少年が
倒れたバスに
ぶつかって転んだのも。

綺麗な女性が足を引きずり
泣いていたのも見ました。」



「じゃあ、あのバスが事故した瞬間は見ていないんだ・・・。」



その言葉の後に夏生は暫く黙ったが



佳代の顔を見て小さく呟いた。



「よかったね・・・。」



よかったね。
その言葉に佳代は違和感を覚えた。



普通なら
『バスに乗っていなくてよかったね。』
と捉えるが
今の夏生の言い方は少し変に思えた。



「君は、
いつも同じバスに乗るのかい?」



「はい、だけど実は・・・。」



そこまで言いかけて、
佳代は言葉を止めた。



朝、
あのバスに乗らなかった理由をこの人は信じるだろうか。



あのビジョンの事を。



記者の私が警察の情報欲しさに
デタラメを言っているとしか
受け止めないんじゃないか。



佳代はそう思ったのだ。