ＰsychoＣabala〜第７の男〜

「今朝の事故を私に
取材しろと？」



その言葉に城金は苦笑いをし
話を続けた。



「現場を目の当たりにした君には辛いだろうが、

これも、ジャーナリストを目指す君の為だ。

詳しく取材してくれんか。
どうも警察からの情報が薄いんだ。

何か隠してる様子でな。」



確かに週刊誌のネタとしては、
今朝のバス事故は美味しいネタだ。



あの場所に出くわした私に取材させるのは
仕事と割り切れば当然の事だ。



「わかりました。」



佳代は編集長にそう言うと、
振り返り
千草先輩に皮肉っぽい顔を見せた。



そして、早速カメラを持ち
会社を後にした。



まずは、
まだ正式発表の無い
事故原因からだな。



佳代は車に乗り込むと、
新宿署へと向かっていた。



署の玄関には
既に多くの取材班達が
署の正式会見の為、列をなしていた。



駆け出しジャーナリストの佳代は怯む事無く
その群集の中に駆け込んだ。



群がる取材陣の中を抜け出し、
佳代は堂々と玄関の中に入って行った。



「君！君！

取材の方はここから立ち入り禁止だよ。」



正面玄関に立つ警官に
当然の様に注意を受ける。



「私は、あのバス事故の目撃者です。
少しでも警察の役に立ちたいと足を運んだのですが！

何か？」



佳代の強引な言い草に警官も一瞬たじろぎ



「本当なのかね？」



と聞き返した。



佳代はしめしめ。と思い。



「約束します！」



と強い眼差しで親指を立てた。