その横で孔命の胸に手をかざし、
真剣な眼差しで傷口を押さえ込んでいる少女が小さく呟いた。
「黙って。
・・・もう少しだから。」
彼女の手のひらから、
孔命の体全体に琥珀色の光が放たれた。
やがて孔命の胸から出血が治る。
彼女はホッとした表情で胸を撫で下ろした。
イナッチは
この10才位にしか見えない少女の事を知らない。
「君は?」
イナッチの問いに
少女はあどけ無い笑顔で答えた。
「私の名前は、エミ。
名字は無いわ。」
その内、孔命の顔には血色が戻り、
表情も穏やかに戻っていった。
「これをやった人。
わざと急所をはずしています・・・。
何故でしょう。
他の人達は躊躇わず殺しているのに。」
その少女の言葉に
イナッチはこれまでに無い怒りを感じた。
野郎・・・。
自分の意思で命をもて遊んでやがる。
『神』にでもなったつもりか!
イナッチは
何かを思い出したかの様に
勢い良く立ち上がった。
「孔命の事、治せるかい?」
孔命の命を救ったその少女に、優しく問いかけた。
エミは小さく頷きこう言った。
「私、『その為』に呼ばれたから。」
「そう。じゃあ、後頼んだよ。」
そう言い残すと
イナッチは、おもむろに走り出した。
真剣な眼差しで傷口を押さえ込んでいる少女が小さく呟いた。
「黙って。
・・・もう少しだから。」
彼女の手のひらから、
孔命の体全体に琥珀色の光が放たれた。
やがて孔命の胸から出血が治る。
彼女はホッとした表情で胸を撫で下ろした。
イナッチは
この10才位にしか見えない少女の事を知らない。
「君は?」
イナッチの問いに
少女はあどけ無い笑顔で答えた。
「私の名前は、エミ。
名字は無いわ。」
その内、孔命の顔には血色が戻り、
表情も穏やかに戻っていった。
「これをやった人。
わざと急所をはずしています・・・。
何故でしょう。
他の人達は躊躇わず殺しているのに。」
その少女の言葉に
イナッチはこれまでに無い怒りを感じた。
野郎・・・。
自分の意思で命をもて遊んでやがる。
『神』にでもなったつもりか!
イナッチは
何かを思い出したかの様に
勢い良く立ち上がった。
「孔命の事、治せるかい?」
孔命の命を救ったその少女に、優しく問いかけた。
エミは小さく頷きこう言った。
「私、『その為』に呼ばれたから。」
「そう。じゃあ、後頼んだよ。」
そう言い残すと
イナッチは、おもむろに走り出した。
