PsychoCabala〜第7の男〜

それからも星野のイナッチに対する態度は何も変わる事は無かった。



そして時は立ち
二人は柳沼の卒業を迎え様としていた。



「なあ、星野。
お前、卒業後の話、
本部から何か聞いてるか?」



学食のテーブルに腰掛ける星野の前に
イナッチはいきなりふん反り返り
勢い良く腰かけた。



星野の前には食べ掛けのサンドイッチとコーヒー、
それに読み掛けの本が置かれていた。



「君は本当に何も聞いてないんだね。

僕たちは正式にPCに配属されたよ。」



・・・・・。



「PCか。やっぱりな。」


イナッチは予想していたかの様な口調で答え
椅子の背もたれに全体重を載せ、上を向いた。



「それに僕達には
春から正式に
オフィシャルナンバーが付く。」



「えっ。
って事はエースの所に配属されるのか?」



「そう。
僕が『7』で
君には『8』の称号が付く。」



「『8』?

ふーん。『8』ねー。

今さら番号には拘らないから別にいいけど。

でもいきなりとはね・・。

星野の『7』は納得だな。」



イナッチがそう言うと
星野は無表情でそれに答え
読みかけの本を又、手に取った。



その本のタイトルは
既にアインシュタインの物では無くなっており



本の表紙には
『ダークマター』
と書かれた物に変わっていた。