PsychoCabala〜第7の男〜

次の日。



柳沼には1人で登校する
イナッチの姿があった。



イナッチと星野が柳沼に来て以来、
目ぼしい事件と言えばこの間の
『形態変化』を含む3件程だけ。



校舎へと向かう
途中の中庭でイナッチは
後ろから声をかけられた。



振り向いた先にいたのは
本を片手に微笑む
星野だった。



「イナッチ早くしないと遅刻するよ。」



星野はそう言うと
本を開き無表情のまま
イナッチの前を通りすぎた。



その姿はいつもと何ら変わらない。



まるで昨日の事は何も無かったかの様に去って行く。



「あ、ああ。」



そんな星野の態度を見ながらイナッチは少し胸を撫で下ろした。

そして淡々と歩いて行く星野の後を追いかけた。