運ばれてきた食事をとり、お風呂から出るとそこには二つ並んだ布団。


もう高成さんは部屋にいて、静かに満月を見てた。


その姿はまるで愁いを帯びていて。


男の人なのに、とてもだった。


「高、成…さん…」


呼び掛けると、高成さんは月から私へと視線を移す。


「華奈子……。」


高成さんは、灯りを消した。