「真朝?どしたの?」




やっと瞬きをして動き出した。

「真朝…?」


「あ…いや、うん」



「ごめん…ね?」



ちょっとずつ近づく。

真朝との距離が約1mになった時。



「…きゃっ」




腕を強引に引っ張られて気づいた時には真朝の腕の中だった。



「真朝…苦しい…」



「…かった…」

「え?」



いつもの真朝とは思えないくらい声が小さくて、最初が聞こえなかった。




「良かった…」




小さく、そう呟いた。
安心したように。




「真朝…ごめんね。」



「俺こそごめん。無理やりキスなんかしちゃって…俺が怒ったのは理由があるんだ…」





「…理由?」





理由ってなんだろう。
なにか訳があったんだ…