「ちょ、近い。どいてってば……んん!?」




突然無理やり重なった唇。
苦しくて真朝の胸を強く叩いた。

でもやはり男。
その力に敵う事はできない。




「ちょ…やめ…んッ…」





我慢できなくて息をしようと少し開けた口に、容赦なく真朝の舌が入ってくる。








「ん……ッは…」






やっと唇が離れた。
乱れていた呼吸を整えながら真朝に視線をむける。



まだ真朝はあたしを睨んだまま。



凄く…怖い…




「…ど…したの?」





真朝の目は凄く怒っていて怖い…



でもそれより…





今にも泣きそうな目をしている。






「真朝…?」









「…わりぃ。俺先帰るわ。」





「ま…」




バタンッッ






私の呼ぶ言葉を遮るようにドアの音が屋上に響く。








「あたし…なんかしたかな…」






意味わかんない。



意味わかんない意味わかんない。




何いきなり拗ねちゃって。拗ねたいのは私の方なのに、





「意味わかんないよ…」





頬に一筋の涙がつたった。





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