「あー、雨降りそう」
そう独り言のように呟いた。
すると教室のドアがあいた。
「夜葉おはよー」
「なっちゃん、おはよ!!」
涼風夜葉 高1。
「今日も早いねェ。これ、プレゼント」
はい、と渡されたのは
チョコレート。
「あぁ!なっちゃんありがとー!」
「よしよし」
といってあたしの頭を撫でてるのは篠田夏希。
あたしの一番仲良い女の子。
入学初日、
おどおどしてたあたしに
話しかけてくれた。
気の強い女の子。
スラッとした細い体型に
顎までの少し茶のはいった綺麗な髪。
あたしが男の子だったら
絶対好きになってたと思うくらいキレイ。
「なに、うちの顔になんかついてる?」
「いや、なっちゃんて本当キレイだなぁって。」
「はぁ?あんたねぇ…」
「ん?」
「その顔で言われたら説得力ないよ。」
なっちゃんはいつもそう。
なっちゃんの事褒める度にこう言われる。
なっちゃんのがキレイだと思うんだけど…
ちょっと膨れっ面してると
「夜葉可愛すぎーっ」
っていっていつものようにあたしを抱き締める。