あの日から、一度も変えていない俺の番号をいまだに奴が持っていたことに、驚かずに


はいられない。


 …もうとっくの昔に消されたと思っていた。


 いつまでも鳴り止まない電話。


 正直、出ようか迷う。


 今も奴は俺を許しちゃいないだろうし、俺も許されようなんて思っちゃいない。


 それでも


 鳴り続ける電話は、俺を早く出るように催促しているようで


 俺は今までにないほどゆっくりとボタンを押した。


 「……。」


 『…よぉ、啓輔。久しぶりだな。』


 「…あぁ、祐一。3年…いや、4年振りか。」


 何を話せばいい?


 4年前は考えたことなかった。


 そんなこと考えなくても自然に話題が生まれ、2・3時間は平気で話していたのに…。