たとえ柚華が啓輔と会っても、俺たちの関係は揺らがない。


 柚華のいる安心できる空間が、そう簡単に崩れるはずがない。


 さっきまでの不安が嘘のように消え去り、気持ちに余裕が出来る。


 俺にとって柚華の存在が大きくなっているのが分かる。


 「……そういえば今度のお別れ会、あいつ、来れるってよ?」


 いまだにいじけているのか、ムスッとした顔をしてイスに座っている柚華に声を掛ける。


 「はぁ!?いつの間に電話したの?」


 「……さっき。」


 「私も話してみたかったのに!」


 クスクスクス。


 レタスをむしりながら、柚華の小言に耳を傾ける。


 結局、朝食がテーブルの上に並んだのは1時間後。


 作ったのは、柚華だった。