「誰かーコイツに腕の良い脳外科医が居る病院を紹介してやってくれー」
 
「ちょっと、それ‥どういう意味よ!」
 
どういうって‥‥そのままの意味だが。
そんなことを言ったら回し蹴りが‥‥って、読心術が使えるなら意味ないか。
 
…うん、なんかユキの顔が鬼に見える。
 
「無視するだけでなく、馬鹿にするなんて‥‥」
 
おや、これは何だろうか。空気が肌を刺すようで痛いのだが。←
あれか。殺気っていうヤツ?
うわー、こんなに凄いのは初めてだー。
 
なーんて、どうでも良いことを考えながらも俺は屋上へ走った。だって絶対殺されるぜ?顔が鬼だったし‥。
 
「私から逃げられると思わないことねッ!」
 
後ろではニヤッと笑って俺を見ているだけで、後を追って来ないユキが居た。