「おい、風花‥‥コレはいったい‥」 「ユキ」 風花は俺の言葉を遮った。 「私はユキよ。風花じゃない」 彼女は笑う。 酷く綺麗に、哀しそうに笑う。 「アナタだけは、風花って呼ばないで」 風花は、今にも泣き出してしまいそうな位に哀しい表情だった。断ったら泣くのだろうか、ふと‥そんな事を考えた。 コイツは "死神"なのに、 命を奪う者なのに、 "人間"ではないのに、 そんなことを一瞬でも思ってしまった 「‥‥ユキ」 「何ですか?麻菊君」 名前を呼ぶと、笑みを浮かべて聞き返してきた。