耳に入ってくる和馬の声はカラオケで聞いたときよりもきれいだった。 「アイツらしいな。」 肥満体のおじさんは和馬たちに目を離すことなくポツリといった。 「和馬はすごくいいヤツだよ。スタッフ以上に周りに気を配ってるんだよ。作曲はいつも自分から進んでやっている。本当参るよ。」 「アイツは普段からそんなヤツですよ。優しすぎる。」 アタシはそういってまた和馬の声に意識を集中させた。