朝から雨降りの、
あの時と同じ様な少し憂欝な日、
教室のベランダで雨宿りをしているトンボを見つけました。
濡れてしまった羽をじっと乾かしているトンボを見て、ハルが言っていた事を思い出します。
『トンボは俺たちと同じモノを見ていても俺たちと同じには見えていないんだぜ。』
『へぇーそうなんだ。』
『複眼って言ってな、一つのモノもいくつにも見えるし、黄色い花も青とか緑に見えてるンだって。』
『ハルはよく知ってるね。』
『…どっちがホントの色なんだろうな。』
『ハルはどう思うの?』
『きっと、どっちも正しくて、どっちも間違いだよ。』
『よく解んないよ。』
『そう、よく解んないってのがきっと正しい答えだよ。』
『なにそれ。』
あの時は笑っていたけど、なんとなく解ってきた様な気がしました。
トンボが少し小降りになった外に飛び立ちました。
その時、
何かが頭の中でパチンッと何かが弾けました。
そして教室を見渡した時、
それは一気に理解出来てしまいました。
あの時と同じ様な少し憂欝な日、
教室のベランダで雨宿りをしているトンボを見つけました。
濡れてしまった羽をじっと乾かしているトンボを見て、ハルが言っていた事を思い出します。
『トンボは俺たちと同じモノを見ていても俺たちと同じには見えていないんだぜ。』
『へぇーそうなんだ。』
『複眼って言ってな、一つのモノもいくつにも見えるし、黄色い花も青とか緑に見えてるンだって。』
『ハルはよく知ってるね。』
『…どっちがホントの色なんだろうな。』
『ハルはどう思うの?』
『きっと、どっちも正しくて、どっちも間違いだよ。』
『よく解んないよ。』
『そう、よく解んないってのがきっと正しい答えだよ。』
『なにそれ。』
あの時は笑っていたけど、なんとなく解ってきた様な気がしました。
トンボが少し小降りになった外に飛び立ちました。
その時、
何かが頭の中でパチンッと何かが弾けました。
そして教室を見渡した時、
それは一気に理解出来てしまいました。