「へぇー、香織変な夢みるんだね」

「でしょ?どうしてかな?」

「まえに聞いたことあるよ。夢って普段のストレスとか精神状態が影響するんだって」

「私が見てる夢はどんな意味があるんだろう?」

「あまり気にしない事よ。考え過ぎないで気楽にしていればいいんじゃない?ほら、この前も香織変な事言ってたし。」

「う、うん…」


教室ではもうハルの事は口に出さないようにしていました。
余計不安になりそうだったから…


「そうだよね。ありがとう、メグ。」


普段どおりに普通に、
そう自分に言い聞かせていました。

それでもハルの事はいつも考えていました。



「香織?どうしたの?」

「えっ、なに?」

「何度も呼んだのに、何かじっと見てるから。」

「えっ、あっごめん。ちょっと考え事。」

「良かったぁ、様子がヘンだったから」

「そ、そう?ごめん、心配させちゃって。」


何度かこんな事がありました。

何かちょっとヘンな、不思議な感じがしていました。
私がほんの一瞬と思っている事が、
周りにはとても長い時間と思われてしまうからです。


この頃から何かが少しずつズレてきている様な違和感を感じ始めていました。