「香織、どうしたの?涙。」

「なんでもないの、メグ。ちょっと嬉しいの。」

「?」


不思議そうなメグにとっては、
きっとこの世界が現実なのでしょう。

ここが地球の夢の中ということを気付いていないのか、
或いは何か理由があって先の世界に行けないのかは解らないけど、

…きっと私と同じ様な理由なのでしょう。



ハルと出会った20歳の頃、
お互いの思い出をたくさん語り合っていました。

学生時代に逢いたかったね、と話していた、
そんな私たちの思いの強さが地球の夢の中の教室で2人を逢わせてくれたのですから。

今度は私がハルをここで待ちたいのです。



…あっという間です。


ハルが人生を終えるあと13年なんて………




ベランダにトンボが飛んできました。


「ねぇ、あなたには今の私がどう見えるの?」




(すべてのモノは夢を見ている)