「…ったく、良く降るなぁ。」

「イライラしないの。止まない雨はないんだから。」

「…でも覚めない夢はあるんだぜ、香織。」

「なにそれ。」

いつもの教室で交わした他愛のない会話でした。

その時は解らなかったけど、ハルの言ったその言葉に意味があったなんて、

こんな事が待っていたなんて、夢の悪戯だったのでしょう。

思い返すと、それは少し前から始まっていた様です。………………
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「なに見てるの?」

「……」

「ねぇ、ちょっとハル!」

「‥ン、なんだ、なんだよ。」

「なんだじゃないわよ。どうかしたの?ボーっとして。」

「はぁ?何言ってんの。」

「今窓の外見てたでしょ?」

「見てねぇよ。何言ってんだよ。」


教室でこんな事が度々ありました。

この頃ハルどうしたんだろう?と心配していた頃です。………