オレの病気が発覚したのは六月下旬、七月に入る手前だった。



原因不明の発熱が続いたり、貧血を起こしたかの様に目の前が真っ白になり、鼻血が出たり。



歯磨きをすれば歯肉からの出血が多く、少し動いただけで、動悸や息切れを繰り返していた。



なにもかも判りもしない癖に直ぐによくなるだろうと、



原因不明の発熱は風邪だろうと決め付け、とめどなく出る鼻血は健康体のオレが持っている筈のない貧血のせいにしていた。



心配した部下の平原が「診察受けて下さい」と、仕事を続けようとするオレに何度も告げにきた。



けれどオレは、



平原の言葉を、断固として聞き入れずに仕事を優先させた。