頭に浮かんで来るものは、オレが今やりたい事ばかりだった。



タバコが吸いたい。



入院食じゃなくて、しっかり味の付いた旨いものを食べたい。



ビールを飲んで、今のこの複雑な気持ちを吹き飛ばしたい。



そんなことできない癖に、次々と頭の中に浮かんでくる。



「アホくさ…」



呟いた言葉は、オレしかいない病室内に虚しく響き渡った。