客観的に物事を捕らえれば、病院が嫌いになった理由さえも言い訳に聞こえるかもしれない。
けれど、これはオレからしてみれば立派な理由の一つだった。
そんなオレに、きちんと診察を受けに行こうと思わせたのは、
「はっきり言って迷惑なんですよ。部下は信用できませんか」という、平原のキツイ一言だった。
思うように身体が動かず、仕事が疎かになってしまって皆に迷惑かけてたのは確かだったし、
言われて当然だった。
平原の立場に置き換えて物事を考えてみれば判ることだった。
上司が体調を崩し、仕事が疎かになっていたとしたら、
過去にあった出来事が何であれオレも同じ事を告げると思う。
何もできなければ、室長であれ皆の足手まといになるだけだ。
皆に心配かけてるのに自分の気持ちを優先させて、勝手に行動していたのだと、平原のキツイ言葉によって思い知らされた。
