Othello―オセロゲーム―Game

目蓋を閉じ、バスの振動に身を任せていると、何だか目蓋のうえが暗くなった気がした。
人間とは不思議なものだ…。それまで気に掛けてなかったものが、ひょんなコトで気になってしまうと無償にそのことばかり考えてしまう…。
そんなわけで、若松は試しに目蓋をゆっくり開いてみることにした。

すると、大きい瞳でマジマジとコチラを眺める少女の顔がいきなり視界飛び込んできた。
若松は、ビックリして目を見開き、思わず座席にしがみついた。
驚く若松を余所に、少女は穴が空かんばかりに見つめ続けた。