食堂に辿り着くと、一つを除いて全ての座席が埋まっていた。
空いてる席は…
「あっ!!若松さん!!こっちですよ!」
カヤが目一杯手を振り若松を迎え、空いてる隣の席を叩いていた。
…なんでだよ別にツレじゃねぇだろ、オレら…
肩をがっくり落とし、カヤの隣の席に向かった。
幸いなことに、若松の席は一番端だったので、カヤとの隙間を広げ椅子に座した。
椅子に座るや否や、若松は辺りを見渡した。
西洋風の長机に、黒いテーブルクロス。
机の上には三本で一式のロウソクがゆらめいていた。
「おぃッ!!飯はまだなのか!?」
静かな空間に、突然罵声が飛びかった。
我に返った若松は、招待客を見渡した。
すると、明らかに一人だけ苛立っている男がいた。
逆立った金髪に、釣り上がった目。耳には赤いピアスがついていた。
恐ろしい形相だが、年はまだ15、6歳にしか見えない。
隣でなだめているのが、母親だろうか。母は穏やかな風貌…。
ま・甘やかされて育ったんだろう…。
「すみません!お待たせしました!」
食堂奥の厨房から、秋葉がカートを押して料理を運んできた。
そして、一人一人丁寧に料理を並べはじめた。
それと平行し、老婆が客に飲み物をついでまわった。
準備が整うと、秋葉が前に立ち挨拶をはじめた。
「皆様、この度は、“紅葉館”にお越し頂き誠にありがとうございます。
大変お待たせしました。どうぞ、ごゆっくりとご感嘆下さい。乾杯。」
グラスがぶつかり合う甲高い音が、食堂に響き渡った。
空いてる席は…
「あっ!!若松さん!!こっちですよ!」
カヤが目一杯手を振り若松を迎え、空いてる隣の席を叩いていた。
…なんでだよ別にツレじゃねぇだろ、オレら…
肩をがっくり落とし、カヤの隣の席に向かった。
幸いなことに、若松の席は一番端だったので、カヤとの隙間を広げ椅子に座した。
椅子に座るや否や、若松は辺りを見渡した。
西洋風の長机に、黒いテーブルクロス。
机の上には三本で一式のロウソクがゆらめいていた。
「おぃッ!!飯はまだなのか!?」
静かな空間に、突然罵声が飛びかった。
我に返った若松は、招待客を見渡した。
すると、明らかに一人だけ苛立っている男がいた。
逆立った金髪に、釣り上がった目。耳には赤いピアスがついていた。
恐ろしい形相だが、年はまだ15、6歳にしか見えない。
隣でなだめているのが、母親だろうか。母は穏やかな風貌…。
ま・甘やかされて育ったんだろう…。
「すみません!お待たせしました!」
食堂奥の厨房から、秋葉がカートを押して料理を運んできた。
そして、一人一人丁寧に料理を並べはじめた。
それと平行し、老婆が客に飲み物をついでまわった。
準備が整うと、秋葉が前に立ち挨拶をはじめた。
「皆様、この度は、“紅葉館”にお越し頂き誠にありがとうございます。
大変お待たせしました。どうぞ、ごゆっくりとご感嘆下さい。乾杯。」
グラスがぶつかり合う甲高い音が、食堂に響き渡った。


