Othello―オセロゲーム―Game

「ごめんなさい。突然お邪魔して」
入ってきたのは秋葉だった。
若松は胸を撫で下ろし、椅子から体を現した。

「どうかしたのか?」

落ち着き払ってある素振りを見せながら、若松は安楽椅子に腰掛けた。
その様子がおかしくて、笑いを堪えながら秋葉は話をすすめた。
「今から宿泊客全員で食事をするから、ひーちゃんもおいでよ。」

秋葉は、待ってるからと言わんばかりに手を振り部屋を退散した。

若松もしばし考え、彼女の好意と、面目を潰しちゃ悪いといぅ気持ちで、安楽椅子から腰をあげ、食堂に足を運ぶことにした。