Othello―オセロゲーム―Game

「はぁ〜あ…。ゴメンなさい。驚かせてしまって…。」
少女は笑いすぎで出た涙を拭いながら、ようやく話はじめた。
「はじめまして!!若松さん!アタシ、九条カヤって言います!ヨロシクお願いします!!」
と、片手を差し出してきた。

いやぃや…握手したいんだろうが…残念だったな。
俺様がそう気やすく触れると思うなよ!!

「あ…ごめんなさい。…女性恐怖症でしたね。」
カヤは、申しわけなさそうに手を引っ込めた。

俺だって触れるもんなら触りたいさ!!できないから困ってんだよ…。

「悪い…。君に気を遣わせてしまって…。ご存じの通り、俺が若松聖、探偵さ。ヨロシク、お嬢さん。」
目を見るだけで精一杯の挨拶…。
我ながら、情けない。