「学校をぶっ壊したいんだ」

斉藤はそう言った。

一番分かりやすく、恐ろしい言葉だ。

クボタたちは何も言わない。

クボタは下を向く。

考えているのだろう。

他の不良グループの連中は互いに顔を見合わせる。

驚きを隠せないといった感じだ。

斉藤は無表情でクボタを見つめる。

クボタは下を向いているので表情は分からない。

今には張り裂けんばかりの緊張感。

いるだけで息苦しいぐらいだ。

「お待たせしました」

店員が斉藤が注文したハンバーグを持ってきた。

いい匂いが広がる。