学校帰り、斉藤と俺はクボタたちを誘ってファミレスに入る。

まだクボタたちには何も話していない。

「大事な話がある」

そうとだけ言って呼んだ。

クボタは半笑いな顔をして、あとの不良グループの連中は不機嫌そうな表情をしていた。

席に座り注文をする。

みんなドリンクバーだけでいいと言う。

斉藤だけは違ってハンバーグを食べるようだ。

この男は空気が読めないのか、みんなと一緒が嫌なのか、とにかくおかしなことをする。

しばしの沈黙。

「で、話って何?」

クボタが聞いてくる。

鋭い目だ。

喧嘩を売られるのかと勘違いしたのだろうか。

担任や教師には頭を下げてはいたが、不良同士の喧嘩でめっぽう強いのがクボタだ。

「ハハハハハ」

斉藤は腹を抱えて笑った。